野外や店内、ショッピングモール内や病院など、さまざまな場所のトイレにハンドドライヤーが設置されています。
このため、ハンカチを持たない人も多いのではないでしょうか。
ハンドドライヤーは確かに便利で衛生的に感じます。
しかし実は、手の細菌をむしろ増殖させる不衛生なものではないかという疑問が持たれています。
一体どういうことでしょうか。
今回は、気になるハンドドライヤーの衛生面についてお伝えします。
目次
ハンドドライヤーで空気中に細菌が飛び散る
「ハンドドライヤーを使うと空気中に細菌が増殖する」という実験結果があります。
具体的には以下のような実験です。
①温風タイプのハンドドライヤー
②強風で水滴を吹き飛ばすジェットドライヤー
③ペーパータオル
上記3通りの方法で手を乾かし、周囲の細菌量と手の細菌量を計測しました。
すると①②の場合、③のペーパータオルを利用した場合と比較してかなり多くの細菌が空気中に飛散することが判明しました。
②のジェットドライヤーは①のハンドドライヤーの4.5倍、③のペーパータオルの27倍の量の細菌が拡散することがわかったのです。
ハンドドライヤーで手の細菌量が増殖する
ハンドドライヤーの危険性は空気中に細菌をまき散らすだけではありません。
使用することで手の細菌を増殖させるというデータも出ています。
具体的には、ペーパータオルを用いた場合は手の細菌量が使用前の45~60%程度減少したのに対し、ハンドドライヤーを用いた場合、手の細菌量が255%も増加しました。
このような結果が出た理由は、ハンドドライヤー内は温かく湿った環境となっており、これがバクテリアの増殖に最適な環境となっているためであると考えられます。
このようにして増殖した細菌が、使用時に一気にまき散らされるのです。
手が乾ききらず、美容にも悪い!?
手を乾かす機能性についても、実はハンドドライヤーはペーパータオルより低いとされます。
というのも、ペーパータオルは15秒の間にほぼ100%手を乾かすことができますが、ハンドドライヤーの場合、手を完全に乾かすために45秒程度かかります。
しかしハンドドライヤーを使う人のほとんどが1回13~17秒程度しか使っていません。
ほとんどの人がハンドドライヤーを利用しても完全に手を乾かせていないのです。
さらに、ハンドドライヤーは手荒れの原因にもなります。
強力な風で急激に手を乾燥させ、手の必要な皮脂分まで奪ってしまう上に、完全に乾かさないことで手に水分が残ることも手荒れの原因になるのです。
お伝えしてきたように、ハンドドライヤーにはいくつかの課題点が残っています。
普及率が高く便利な物なので、少しずつ改善されていくと良いですね。
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