給湯器から水が漏れているという相談は数多く寄せられています。
正常な機能として水が排出されることはありますが、故障によって水漏れを起こしているケースがあります。
その場合には本格的に故障してしまう前に早急に修理を検討しなければなりません。
今回の記事では、給湯器の水漏れについて詳しく解説します。
目次
給湯器の役割
給湯器は、どのような役割があるのでしょうか?
まずは、その役割について改めて知っておきましょう。
給湯器は、ほとんどの家庭で使用しているものです。
何のためにあるかというと、手軽にお湯を使用できるようにするためです。
給湯器は、一度機械の中に水を取り込んで、熱してお湯にしてから設定された温度のお湯を供給します。
その都度、やかんや電気ポットを使わなくても適温のお湯をすぐに使用できるというのがメリットです。
その熱源となるものによって、ガス給湯器、石油給湯器などに分かれています。
また、ガス給湯器でもプロパンと都市ガスでは別の給湯器になります。
ガス給湯器の場合は、給湯器内部に通水してバーナーを利用した熱交換器で温めてお湯になり、排出されます。
空焚きを防止するために、通水を感知してスイッチが付くようになっています。
蛇口からお湯を出す給湯専用機の他に、お風呂のお湯張りができる高温水供給タイプの給湯器や追い炊き付きのふろ給湯器、床暖房や浴室暖房乾燥機能がある給湯暖房用熱源機などがあります。
また、熱源に電気を使用するタイプは、給湯器と区別して電気温水器となっています。
給湯器の機能は、お湯を出すという非常にシンプルなものです。
それでも、温度を必要に応じて設定でき、すぐに熱湯を出すことができるという便利な機器で、内部はかなり複雑な構造をしています。
複数のセンサーがあり、様々な制御をするための電装基盤などもあります。
その他のパーツも多いので、故障や不具合が起こることも珍しくはありません。
その内容によっては、修理で十分対応できるケースと、新しいものに交換しなくてはいけないケースがあります。
交換できるパーツもあれば、交換が不可能なパーツもあるのです。
特に、古い型の給湯器であれば、交換用のパーツが既にないこともあるでしょう。
どのような理由で故障や不具合が発生しているのかを確認して、修理するのか交換するのかを判断しなくてはいけません。
まずは、給湯器がどんな状態なのかをはっきりとさせましょう。
そうして、対処方法を決めていきます。
給湯器から水が漏れているのは故障?
給湯器から水が漏れている時は、故障したと思うかもしれません。
しかし、それは本当に故障なのでしょうか?
給湯器は水を使う機器なので、水が漏れるということに不思議はありません。
その原因が故障であるケースと、そうではないケースがあるのです。
水漏れというトラブルは、給湯機で特に多いものです。
そのため、理由については故障かそうでないか、しっかりと確認する必要があります。
先程もお伝えしましたように、給湯機は水を取り込んで過熱してお湯にするという機器です。
内部に水が通っているため、ちょっとした不具合でも水が漏れてくる可能性があるのです。
しかし、本当に故障しているケースであれば放置するのは危険です。
故障している個所によっては重大なトラブルが起こったり、時には命に係わるようなことが起こったりもするのです。
水漏れの原因として考えられるものは何かを知っておき、修理や交換が必要かどうかを判断してください。
正常な機能として水を排出しているケース
給湯器の機能には、正常な働きとして水を排出するものもあります。
どのような機能が水を排出するのか、解説します。
水漏れかと思っていたのが正常な機能であれば、修理の必要もありません。
その場合は、いずれ水漏れも止まります。
正常な機能で水が排出されていた場合は、まず様子を見ましょう。
給湯器の減圧のため
給湯器には、安全弁や減圧弁といったパーツがあります。
減圧弁は入水時の圧力を和らげるものであり、安全弁は機械内部の圧力が高まった時に、その圧力を逃すために使われます。
そして、圧力を逃がす際に水も一緒に出ていってしまうことがあるのです。
そのせいで、水漏れをしたように見えてしまいます。
例えば、先止式の密閉式小型電気温水器の場合、法令でタンク内の圧力が0.1Mpa以下でなければならないと定められています。
電気ヒーターが過熱すると湯温が上昇し、温水器内で体積が膨張するため、定められた圧力を超えてしまう恐れがあります。
そのような時は、膨張水がタンクの外へと自動的に排出されるようになっているのです。
また、給湯器内部に水が溜まりすぎている場合も、水が排出されることがあるため、注意しましょう。
長期間使用しておらず、久しぶりに使用したという時にもこのようなことが起こりやすくなります。
こういった場合、水が漏れる頻度はそう多くありません。
減圧できればそれで収まるため、水が漏れるのは一時的なものです。
数回ならともかく、安全弁や減圧弁からひっきりなしに水が漏れているようであれば、故障を疑いましょう。
凍結防止のため
給湯器には、水抜栓というパーツがあります。
水抜きをした際はこの部分を操作してそこから水が排出されるのですが、冬季に気温が極端に下がった場合、凍結によって給湯器が破損することを防ぐために水が自動的に排出されるケースもあります。
水抜栓から水が排出されている場合は、まず電源を入れて確認のためにお湯を出してみましょう。
問題なくお湯が正常に出てくれば、特に問題はありません。その場合は、そのまま使用してください。
しかし、お湯が出ない場合は何らかの故障が生じている可能性があるので、よく確認してください。
また、この凍結予防の水抜きは、あくまでも給湯器本体の内部です。
給湯器の外側である配管部分の水は、そのまま残っています。
その部分に関しては、別途、凍結対策を行う必要があるでしょう。
凍結によって配管が破損することを防ぐには、保温材を巻いておくなど対策をしておけばいいでしょう。
この他に、ドレン配管が付いている給湯器であれば、そこから水が排出されているケースがあります。
これは、ガスでお湯を沸かす際に出る排熱が冷やされたことで生じる凝縮水というもので、それを処理してドレン配管から排水されているのです。
ここからは、最大で1分間に100mlほどの水が排出されることがあります。
それを見ると故障を疑いたくなりますが、実際には正常な機能なので問題ないのです。
ただし、ドレン配管に破損が生じて水が垂れ流しになってしまうケースもあります。
その状態で放置することはおすすめできないので、なるべく早く修理しましょう。
故障が発生しているケース
給湯器から水が漏れていても、正常な働きであり問題がないケースもあります。
しかし、故障が発生しているケースも、確かにあるのです。
故障していることを確認するためには、何故水漏れが起こっているのか、その原因をまず特定しなくてはいけません。
特によく見られる原因がいくつかあるので、解説します。
給湯器の取り付け不良
給湯器は、正しい手順で正しい位置に取り付けなければ、正常な動作ができません。
取り付けは細かい部分まで決められているため、少しでもズレると不具合が生じることがあるのです。
そのため、取り付けには細心の注意を払っているのですが、ヒューマンエラーはどうしても起こり得るものです。
それで動かなければ即座に取り付けし直すのでしょうが、中には取り付けた時点では一見問題なく動いていても、取り付け不良が起こっているというケースもあります。
例えば、配管が外れているわけではないのですが、接続に
甘さがありわずかな隙間ができて、それが徐々に広がっていくといったケースです。
最初はわずかな隙間でも、使用している内に水の圧力によって押し広げられてしまい、やがて無視できない隙間になるのです。
その場合、最初は問題無くてもいつの間にかその配管部分から徐々に水が漏れてきます。
いずれは、周囲が水浸しになるほど大量の水が出てしまうことになるかもしれません。
そのまま放置しておくと、水濡れの被害だけではなく水道代も大変なことになってしまうでしょう。
このような症状が起こるとすれば、取り付けた直後、あるいはそれからすぐのことです。
そのため、取り付けを行った業者に連絡すれば、無料で修理対応をしてくれるでしょう。
パーツの経年劣化
給湯器も、使用を続けていると徐々に劣化してきます。
7年以上使用していると、内部の部品が経年劣化してくることも増えてきます。
そうして、その劣化によって水漏れが生じてしまうこともあるのです。
特に劣化しやすいのが、パッキンです。
キッチンの水道の蛇口も、年数が経つとパッキンが劣化してしまうと破損しやすくなり、水をせき止めることができなくなります。
その結果、水が漏れるようになるのです。
パーツの経年劣化が原因であれば、パーツを交換することで水が漏れないよう修理できるかもしれません。
パーツは手に入るものと入らないものがありますが、パッキン等であれば市販されているものでサイズが同じものが見つかるかもしれません。
配管なども、汎用品であれば見つかるでしょう。
しかし、その給湯器が10年以上前のものであれば他の箇所も劣化している可能性が高くなります。
その場合は給湯器が寿命を迎えたため水漏れしていると考えられるため、修理での対応ではなく交換することも検討した方がいいかもしれません。
また、古いものであれば交換用のパーツが既にないケースもあります。
その場合は、必然的に給湯器本体を交換することになるでしょう。
凍結による配管破損
冬期に気温が下がった時は、配管の内部で水が凍結することで水漏れが生じることがあります。
水は凍結すると膨張してしまうため、配管内部に圧力がかかり破裂してしまいます。
そして、凍結している水が溶けた時には、その破裂した配管から水が漏れるようになるのです。
北国など、寒冷地域であれば凍結は当たり前のことなので、対策を行っています。
配管自体にも、凍結対策の処置がされていることも多いのです。
そのため、北国で配管が凍結によって破裂してしまい、水漏れが起こるということは滅多にありません。
どちらかといえば、滅多に凍結しない温暖な地域で起こりやすいのです。
凍結は、気温が0℃以下になってしまうと起こる可能性が十分にあります。
温暖な地域ではあまり対策に慣れていないため、急な寒波などが襲ってきた時には対応できずに配管が凍結してしまうのです。
普段から凍結を警戒していないので、そのようなことが起こりやすいのです。
また、冬季に帰省や長期旅行で給湯器を長い間使うことがない時は、水抜きをして内部に溜まっている水を排出してしまわなくてはいけません。
水抜きをしないで放置していると、戻ってきたころには配管の内部が凍結してしまい破裂して、水漏れが起こることもあるのです。
そうではなくても、内部の圧力が高まって水抜栓から水が漏れてくることもあります。
水抜きの方法については、説明書を確認してください。
給湯器の水漏れを放置するのは危険!
例え水漏れしていても、給湯器を使わないというわけにはいかないでしょう。
そして、水漏れをしてもすぐに機能停止となるわけではないので、修理をせずにそのまま使い続けてしまう人も少なくありません。
しかし、給湯器から水漏れしている場合、それをそのまま放置すると危険なこともあるのです。
水漏れしている場合は、早急に対処しなくてはいけません。
なぜ対処が必要なのか、どのような危険があるのかを解説します。
一酸化炭素が発生する恐れがある
水漏れが水抜栓以外から生じている場合は、放置しておくと一酸化炭素が発生する可能性があります。
一酸化炭素は無色無臭で気付きにくいのですが、非常に毒性が強い気体です。
たとえ少量でも吸い込んでしまうと危険であり、量によっては一酸化炭素中毒になってしまうこともあります。
一酸化炭素中毒の初期症状は頭痛やめまい、吐き気など風邪の症状に近いものなので、中々気付かないかもしれません。
しかし、徐々に失神や手足のしびれなどが起こって動くことができなくなり、人体の機能障害も生じて最終的には意識不明となりそのまま死に至ってしまうのです。
一酸化炭素中毒は、濃度が0.1%未満でも数時間以内に症状が起こります。
濃度が0.3%以上なら、短時間で死に至る可能性も十分にあるのです。
1%を超えてしまうと、数分で死に至る可能性が高くなります。
給湯器には、内部にバーナーがあります。
水漏れによってバーナーに水が継続的にかかっていると、不完全燃焼を起こしてしまうのです。
完全に燃焼しなくなった場合はガス漏れが起こることもありますが、不完全燃焼になると一酸化炭素が発生します。
一酸化炭素中毒は屋内の閉め切った部屋で起こるイメージがあるかもしれませんが、給湯器が屋外に設置されていても一酸化炭素中毒が発生して不完全燃焼になるケースも珍しくはないのです。
こういった事態を避けるために、屋内設置型の給湯器の多くは不完全燃焼防止装置が組み込まれています。
不完全燃焼を感知した時は機器の運転を自動的に停止するため、一酸化炭素の発生もごく少量となるのです。
しかし、給湯器には必ずついているというわけではないので、注意しましょう。
不完全燃焼は、水漏れ以外にも吸気口がふさがれていたり、排気筒が外れたり腐食していたりした場合などに発生する可能性があります。
屋外に設置されている給湯器でも、不完全燃焼が起こり一酸化炭素中毒になる可能性はあります。
一酸化炭素が発生した際に、窓や換気口などから入り込むことがあるのです。
屋外設置型であれば不完全燃焼防止装置が組み込まれていないこともあるので、十分に気を付けましょう。
十分に換気できる状況でなければ、酸素量が足りなくなり不完全燃焼が起こりやすくなります。
給湯器の周辺を塀などで覆っている場合や、隣家との距離が近い場合なども注意しましょう。
あまり給湯器本体と壁や隣家が近ければ、十分な酸素を取り込めないことがあるのです。
屋外用の給湯器を屋内に設置している場合なども、気を付けてください。
集合住宅の場合は階下に水漏れを発生させてしまう恐れがある
アパートやマンションなどの集合住宅にお住まいの場合は、下の階に住んでいる方に迷惑をかけてしまう可能性があります。
水漏れによって、下の階まで浸水してしまうこともあるのです。
給湯器からの水漏れは、初期であれば基本的に少量です。
しかし、それを放置しているとパッキンの劣化が激しくなり、完全に壊れてしまうと大量の水が出てくることもあるのです。
水が噴き出すと給湯器の周辺ばかりではなく、その周辺にまで広がってしまうことも考えられます。
そうして床が水浸しになり、そのまま放置していると下の階まで水が染みてしまうケースもあるのです。
下の階に浸水した場合、弁償することになりかねません。
階下の住人が持つ高額な機器などが水に濡れて故障した場合、弁償額もかなりのものになります。
火災保険で水濡れに関する被害は補償される契約もありますが、階下への水濡れまで補償される保険はごく一部なので、自分で弁償しなくてはいけないことが多いのです。
そうなる前に急いで対処したいところですが、集合住宅の場合はルールが決まっているケースもあるので注意が必要です。
例えば、給湯器を交換することになった場合、交換する型が指定されていることがあります。
これは、外観の統一感を失わないために決められているルールです。
配管が特殊な場合などは、指定されているタイプしか取り付けられない可能性もあります。
また、修理や交換に関しては業者が指定されていることもあるので注意しましょう。
賃貸のマンション等であれば、管理者側と住民側のどちらの責任となり、修理費や交換費用、新しい給湯器の代金をどちらが負担するのかも話し合う必要があるでしょう。
自分で修理依頼などをする前に、まずオーナーや管理人等に相談してみることをおすすめします。
ルールが決まっていると、最悪の場合は交換したのにまた別のものに交換することを強要されるかもしれません。
自分でできる応急処置の方法は?
給湯器で水漏れが起こった時は、まず自分で応急処置を行いましょう。
その場合、どのようにすればいいのでしょうか?
自分でできる応急処置の方法を、紹介します。
ガス栓と止水栓を閉める
まずは、給湯器の使用を速やかに中止してください。
漏れた水がコンセント部分にかかることがあれば漏電してしまうことがあるため、漏電防止としてコンセントも抜いてしまいましょう。
コンセントが抜けない場合は、ブレーカーを落としてください。
とにかく、給湯器に電気が届かないようにする必要があります。
ガス給湯器であれば、ガスの元栓も閉めておきます。
石油給湯器でも、灯油が流れるのを止めることができるなら止めておいたほうがいいでしょう。
次に、給湯器へと給水されている給水管の止水栓を閉めます。
下部に給水栓がある給湯器が多いので、下部から出ている配管のうち、閉じることができるものを閉じてしまいましょう。
よく見ると、給水や排水と書かれていることも多いので、よく確認してください。
止水栓は、マイナスドライバーで回すタイプやハンドルがついているタイプが主です。
逆に回せば再び開けることもできるので、どれかがわからないときは全て閉めてしまったほうがいいのです。
また、止水栓がわからないというときは、水道メーターを見てみましょう。
そこにも止水栓があるのですが、それは自宅のすべての水道につながるものです。
こちらを閉めた場合は、開けるまで給湯器以外の水もすべて止まってしまうので注意しましょう。
ここまで行ったら、どこから水が漏れているのかを確認してみてもいいでしょう。
漏れている水の色や量などもチェックしてください。
水に錆が混じっているかどうか、汚れているかどうか、量が多いかどうかなど、その内容によって故障している箇所や状況がわかるかもしれません。
水抜栓から水が漏れているだけなら、水抜きをしてしっかりと閉めなおせば直ることもあります。
しかし、配管接続部や給湯機本体から漏れている場合は、修理が必要なケースがほとんどです。
配管接続部からの水漏れであれば、接続部のナットを締めてみてください。
それで水漏れが止まればいいのですが、止まらなかった場合は内部のパッキンが劣化しているか、配管そのものにひび
が入って水漏れしているのかもしれません。
確認が終わり、修理が必要と判断した場合は業者に依頼して修理が来るのを待ちましょう。
すぐに来られない場合、もし水道メーターのところの止水栓を閉めていた場合は家の中の水がすべて使えなくなるので不便です。
止水栓をいったん開けて、改めて給湯器の給水管に止水栓がないか探してください。
また、給湯器は決して使わないよう注意しましょう。
給湯器が使えないのは不便ですが、もし無理に使ってしまうと不完全燃焼による一酸化炭素中毒や漏電、水漏れの悪化などが起こる可能性があります。
無理に使うと故障している箇所が悪化し、修理不可能な状態になるかもしれません。
そうなると、交換するしかなくなります。
現状から悪化させないためにも、給湯器を稼働させないよう注意しましょう。
給湯器の故障は業者に修理や交換を依頼する
給湯器が故障した場合、自分で修理や交換をするのは危険です。
給湯器の設置には、液化石油ガス設備士やガス可とう管接続工事監督者、給水装置工事主任技術者など、様々な資格が必要とされるのです。
それだけ難しいものなので、自分で行うと不具合が起こる可能性も高く、大事故につながることもあり得ます。
そのため、必ず業者に依頼してください。
修理と交換、どちらを選べばいいの?
給湯器が故障した際、修理するべきか交換するべきか悩むことは多いでしょう。
特に、水漏れであれば一見重大なことではないように思えるため、わざわざ交換する必要はあるのか?と悩むことになるかもしれません。
修理と交換のどちらがいいのかは一概に言えませんが、どれだけの期間使用しているかが一応の目安となるでしょう。
給湯器には、法定耐用年数と標準使用期間が定められています。
法定耐用年数というのは会計用語で、給湯器を設置して減価償却しているケースで用いられます。
会社や個人事業主が設置する場合に関係するのですが、その際は6年間という耐用年数が定められているのです。
つまり、給湯器を設置した場合、6年間減価償却費を計上することができるということになります。
6年間使用した後は、資産価値が無くなってしまうのです。
一方、標準使用期間というのは経済産業省によって定められた特定保守製品において、安全上支障なく使用できる機関として定められている設計上の期間のことをいいます。
標準設計使用期間ともいわれ、設計上このくらいの年数であれば使用できる、という期間です。
石油給湯器や屋内に設置されるガス瞬間湯沸かし器の場合は、その使用期間が10年と定められています。
この期間を過ぎた場合は、経年劣化によって重大な事故が発生する可能性があるとされているのです。
また、その際は標準使用条件も定められていて、家族構成や気温・湿度、季節、給水温度、出湯温度、1日の使用時間や使用量などが決まっています。
この条件から著しく逸脱した条件で使用している場合は、使用可能な期間もその限りではない、とされるのです。
例えば、家庭用の給湯器をホテルの調理場で使用した場合などは、使用頻度も使用量も多くなります。
そうなれば、標準よりも短い使用期間で故障する可能性が高くなるのです。
ほとんどの給湯器は水道水を使用することが前提とされているため、井戸水などを使用していると使用できる期間はさらに短くなります。
また、業務用であれば使用する頻度や量が多く想定されているため、家庭用よりも短い期間が想定されています。
ちなみに、家庭用の室外式ガス給湯機器はこのような特定保守製品には含まれません。
しかし、ガスメーカーがそれを安全に使用できる期間として設計上の標準使用期間を10年と定めていて、その期間に応じた点検制度を独自に設けていることもあります。
法定点検制度もあるのですが、2021年に「消費生活用製品安全法」が改正されたことで、今まで法定点検の対象であった機器の一部が法定点検の対象から外されています。
その場合でも、メーカーによっては自主的に点検を実施しています。
こうした期間は、あくまでも目安です。
この期間を過ぎたとしても必ず壊れて交換が必要になるわけではなく、20年以上使用できることもあるのです。
しかし、10年以上使用していて故障した場合、たとえ修理したとしてもまた別の故障が生じる可能性が高くなります。
それなら、交換したほうが今後修理せずに長く使えるかもしれません。
また、会計処理を行うのであれば設置から6年未満なら修理を選び、6年以上経過していれば交換も検討するべきでしょう。
修理を依頼する場合は信頼できる業者へ
給湯器の修理を自分で行うのは、困難でしょう。
配管の緩みを直したり、水抜栓を締め直したりするくらいならできるでしょうが、パーツの交換や内部の調整などは、自分で行うには危険です。
また、簡単な作業であっても不慣れであれば失敗し、かえって悪化する可能性もあります。
自分で修理するのが難しい場合は、専門の業者に依頼したほうがいいでしょう。
また、その際は信頼できる業者を選んで依頼しましょう。
水回りの工事業者の中には、信用できない業者や悪徳業者などもいるため、信頼できるかどうかは重要なポイントです。
ただし、今まで修理などを依頼したことがない場合は、信頼できる業者をどう選べばいいのかがわからないかもしれません。
少し調べただけでも多くの業者が見つかるため、その中で何を基準にして選べばいいのか悩むことが多いと思います。
そういった場合の、信頼できる業者の選び方について、解説します。
修理を依頼する場合、依頼する先は主に4つあります。
- 給湯器専門の修理業者
- 給湯器メーカー
- リフォーム業者
- ホームセンター
のどれかに依頼するのが一般的でしょう。
給湯器専門業者は、その名前の通り給湯器の販売や取り付け、修理などを専門に行っている業者です。
専門といっても、実際には水回りの修理なども兼任していることが多いのですが、それでも経験や実績が豊富なスタッフがそろっています。
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また、依頼への対応スピードが速いというのも特徴です。
急いで修理したい場合でも、期待に応えてくれるでしょう。
料金的にも、ほかの業者より安く済むことが多いのも特徴です。
実店舗がなく、中間業者を介して仕入れる必要もないため、トータルの料金は安くなるのです。
申し込みは電話かホームページからというのが一般的で、特にホームページからの依頼であればキャンペーンで料金の割引をしていることもあります。
そうではなくても、スマートフォンから簡単に依頼できるというメリットがあります。
ただし、依頼できる相手が最も多いため、どこに頼んでいいのか悩むことも多いでしょう。
給湯器の大手メーカーといえば、リンナイやノーリツ、パロマなどが有名です。
石油給湯器であれば、コロナや長府製作所などもよく知られています。
こういった大手メーカーでは、直接修理の依頼も受け付けているため、直接頼むというのも方法の1つです。
ただし、修理であれば今使用しているメーカーに依頼すればいいのですが、交換を検討している場合はどのメーカーのどの型番の機種にするか、あらかじめ決めておかなくてはいけません。
メーカーに依頼するメリットは、商品知識が確かであるということです。
また、施工技術も専門の修理業者を上回るでしょう。
修理の後の補償も、内容が充実していることが多いというのもメリットです。
ただし、料金は高くなりがちです。
また、土日は対応していないことが多く、サポートセンターも休みということがあります。
依頼した後も、日程の確認などを細かく決めてから訪れるため、修理には時間がかかってしまいます。
対応が遅くなることも踏まえて、依頼しましょう。
リフォーム業者でも、給湯器の修理や交換を受け付けていることがあります。
地元のリフォーム業者に依頼する、というのも方法の1つです。
依頼してから、修理に訪れるまでの期間はかなり短いでしょう。
また、その後故障したときなどもすぐ駆けつけてくれます。
ただし、給湯器を専門にしているわけではないので、技術は劣る可能性が高いでしょう。
そもそも、交換ならともかく修理は受け付けていない、という可能性もあります。
リフォーム業者にも、悪徳業者は少なからずいる、という点にも気を付けましょう。
依頼するのであれば、しっかりと見極めてからにしてください。
ホームセンターでも、給湯器の修理や交換を受け付けていることがあります。
普段利用しているホームセンターのサービスカウンターで、対応しているかどうか聞いてみましょう。
ホームセンターに依頼するメリットとしては、給湯器の実物を見ることができるという点があります。
交換する場合は、どのような機種でどのくらいの価格なのか、しっかりと調べることができるでしょう。
また、その価格は工事費込みで提示されていることが多いので、最初から料金がどのくらいになるのかを把握できます。
ほとんどの場合は、メーカーに依頼するよりも安くなるでしょう。
しかし、実際に工事をするのはホームセンターの店員ではなく、そこから委託を受けた地元のリフォーム業者や修理業者であることがほとんどです。
そのため、どんな人が来るのか事前に把握しづらいというデメリットがあります。
上記のうち、対応スピードや修理費用、実際に対応できるかどうかなどの点を踏まえて、おすすめするのであれば給湯器修理の専門業者となります。
メーカーは対応スピードが遅く、料金も割高になりがちです。
リフォーム業者も、修理は専門とは言えないので交換しか受け付けていないことも多いのです。
ホームセンターも、そこで購入した給湯器でなければ修理を受け付けてくれない可能性が高く、どちらかといえば給湯器を購入した際の取り付けが主なのです。
修理であれば、専門業者を選んだほうがいいでしょう。
そのためには、まず専門業者について知ることが大切です。
業者の情報を得るには、それぞれのホームページを確認することが大切です。
ホームページには、どのようなことに対応できるかが記載されています。
給湯器のトラブルであれば、キッチンやお風呂のトラブルに含まれるでしょう。
そこで、給湯器の修理や取り付けに対応しているかどうか、確認してください。
その際、修理の実績が多い業者であれば、これまでの実績の件数が掲載されていることもあります。
豊富な実績を持っている業者であれば、それだけ信頼を積み重ねてきたということになるのです。
ホームページや最初のお問合せでは、修理にかかる期間を聞いてみましょう。
給湯器が故障していると不便なのでなるべく早く修理したいという人がほとんどですが、例えば人手が足りない時などは数日後になる可能性もあります。
急ぎであれば、この時点で他の業者に依頼することを検討しましょう。
また、地元の修理業者は土日に休んでいることもあるのですが、平日は働いているという人であれば土日に来てもらいたいと思うかもしれません。
その場合は、大手の修理業者に依頼したほうがいいでしょう。
また、正式に依頼する前に、まずは修理に関してどのくらいの費用が掛かるのか、見積もりを出してもらいましょう。
修理の内容次第で料金は変わってくるので、どのような修理でも同じ金額とはなりません。
おおよその費用を知るためにも、一度現地に来てもらって見積もりを依頼するのは必要なことです。
また、見積もりを出すかどうかは悪徳業者ではないかを確認することにも役立ちます。
悪徳業者の中には、見積もりを出さずに作業をすぐ始めようとするところも少なくありません。
どのくらいの費用が掛かるのか、詳細には教えず大まかな金額だけ伝えてくるのです。
そうして、作業が終わった後で高額な修理費用を請求してきます。
どのくらいの料金がかかるのか分からないと、安心して修理を依頼できません。
その金額次第で、修理にするか交換するかを選ぶこともあるでしょう。
それがわからないと、判断基準がなくなってしまうのです。
そのようなことがないように、見積もりを出さないような業者に依頼するのは避けましょう。
悪徳ではなくても、事前に料金の見積もりができないほど実績が少ないという可能性もあるので、注意してください。
見積もりの内容も、よく確認してみてください。
見積もりには、給湯器本体の価格や配管等の別途必要なものの価格、出張費、技術料や施工料などの項目が記載されているでしょう。
その内容に、不自然なところがないかを確認する必要があります。
こうした料金は、おおよその相場が決まっています。
悪徳業者であれば、そのうちどれかが極端に高くなっているケースや、全体的に上乗せされているケースもあるのです。
そういった業者に騙されないようにするには、大手の修理業者をはじめ複数の業者の見積もりを取ることをおすすめします。
そうして料金を比較して、おかしな点がないかを確認するのです。
提示された料金があまりに安い場合も、注意が必要です。
料金は、サービスの質によって最低限の額が決まります。
あまり安い料金だと、それ相応の適当な作業をして終わるかもしれません。
もしくは、修理が終わってから追加料金として高額な料金を請求されることになるかもしれないのです。
また、給湯器本体の価格が安い場合、その型番を調べてみてください。
業者の中には、安く仕入れるためにまとめて何台も購入しているせいで在庫になってしまった、古い型の給湯器を取り付けようとすることもあります。
その分、安くなっているので納得するなら問題ないのですが、何の説明もなく古い型のものを取り付けようとする業者もいるので気を付けなくてはいけません。
ただし、修理業者の中にはキャンペーンを開催しているところもあり、料金がその時だけ安くなっていることもありえます。
キャンペーンを行っているところを見つけた場合は、実績やサービス内容についても確認してから見積もりを依頼して、問題がないようなら依頼してもいいでしょう。
アフターサービスや保証も、重要なポイントです。
新品であれば保証期間も10年ほどありますが、修理の場合は特に保証が義務付けられていないため、それぞれの業者次第となっています。
1年間の故障は修理費の割引や無料点検が可能など、業者によって様々なサービスがあります。
その内容に満足できるかどうかも、考えてみてください。
スタッフの対応も、重要なポイントです。
まずは、電話で見積もりを依頼したときのオペレーターの対応、そして実際に見積もりに訪れた人の対応、修理に訪れた業者の対応など、様々な点をチェックしましょう。
電話での受け答えが適当であったり、メッセージを送ってもなかなか返事が来なかったりする業者は、修理も適当でアフターフォローもろくにしていない可能性が高くなるでしょう。
せっかく修理しても、適当な作業であればまたすぐに故障する可能性もあります。
悪質な業者であれば、適当に修理して次に故障した際は寿命だといい、新しいものを買わせようとするかもしれません。
スタッフの対応が丁寧であれば悪質な業者である可能性が低くなるので、しっかりとチェックしておきましょう。
先程も述べましたが、給湯器の修理や交換には様々な資格が必要です。
そういった資格を持っている業者かどうかも、確認してみてください。
通常、プロの業者ならそういった資格は持っていると思うでしょう。
しかし、実際には資格がないのに修理や交換を行っている業者も、少なくないのです。
なぜかと言えば、多くの資格が必要であるためにそのすべての資格を持っている人は少なく、そして作業の前にそれらすべての資格を持っていると証明する必要もないからです。
また、そもそもどのような資格が必要なのか、知らない人がほとんどです。
そのため、確認のしようもないのです。
たとえ無資格の人が工事をしたとしても、それを咎められることはほとんどありません。
事故が起こらない限り、確認されることもないからです。
取り付けを行って事故が起こり、そこで作業をした人を確認することで無免許だったということが明らかになるため、無事に動いている限りは知られることがありません。
ほとんどの場合は問題無く動くとはいえ、やはり資格をしっかりと持っていない人の作業は信頼し辛いでしょう。
どのような資格が必要なのかを知っておき、業者を選ぶ際はその資格をきちんと持っているかを確認しておくことをおすすめします。
資格をしっかりと持っている業者は、施工技術も優れています。
修理に関しても、細かいところまで見逃さずに発見して、対応してくれるでしょう。
実績が豊富な業者であれば、忙しいことが考えられます。
忙しすぎると、修理作業もなるべく早く終わらせようとするため、細かいところの確認が雑になってしまうことがあるため、一概に信用できないのです。
それよりは、丁寧に作業をしてくれる業者を選びましょう。
実際の施工技術について確認したい場合は、その業者の口コミを調べて見ましょう。
その業者のホームページにある口コミ投稿の場ではなく、自由に発言できるSNSなどを調べてみてください。
すでに修理などを受けた方が、感想などを投稿していることがあります。
それを見て、信頼できるかどうかを確認してみましょう。
給湯器の修理を依頼する際は、様々な業者をいろいろな角度で比較してみてください。
重視するポイントは、金額や対応スピード、技術の高さなど、人によって異なります。
多くの業者の中から、自分が重視するポイントを満たしていて他のポイントも優れているところはどこなのか、確認してみましょう。
また、取り扱っているメーカーは業者によって異なります。
ほとんどの大手メーカーを取り扱っているところもあれば、どれか1つの専門としているところもあるのです。
修理を依頼するのなら、今使っているメーカーに対応しているところを選ぶ必要があるでしょう。
特に、大手ではないメーカーのものを使用していると、対応している業者が限られてしまいます。
その点も踏まえて、どの業者に依頼するかを決定してください。
給湯器はどのメーカーも機能は大きく変わらないのですが、それでもパーツなどに違いがあります。
扱っていないメーカーの修理を依頼すると、パーツの取り寄せなどが難しいこともあるのです。
わかりにくい場合は、なるべく多くのメーカーを扱っているところに依頼するといいでしょう。
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①相談・点検作業無料
水まわりの救急24では、実際にご依頼いただいた内容以外に一切費用はかかりません。
お問い合わせや、作業員の状況確認作業では費用は発生しません。
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水まわりの救急24のスタッフは全員が厳しい研修を受けたスタッフです。
修理対応などの技術力だけでなく接客対応も最高レベルを提供します。
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お客様にお支払いいただく費用は部品代と作業費のみ。それ以外の費用は頂きません。また、お客様からご依頼いただいた内容以上の金額も請求いたしません。
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ここまでの実績を持てたのはお客様との信頼があってこそ。
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⑥清潔な身なりでご訪問
スタッフがお宅に訪問する際は清潔な制服と靴下を履き替えてお伺いいたします。
使用する工具も清潔を保ち、お客様に不快なお気持ちは与えません。
また、新型コロナウイルス対策として作業スタッフにはマスク着用や検温、手指消毒を徹底しております。