お湯が出ない、異音や異臭がする、給湯器から水漏れがあるなど、これらの現象が起きているときは給湯器が故障している可能性が高いです。
今回の記事では、給湯器の修理の仕方や、業者へ依頼する場合の注意点などを解説します。
目次
給湯器の役割
給湯器の修理を考える前に、まずは給湯器の役割や種類などを知っておきましょう。
給湯器はどの家にも1台はあると思いますが、言うまでもなくその役割は、家庭内にお湯を供給するものです。
仕組みとしては、いったん機器の中に水を取り入れ、それを熱してお湯の状態にしてから設定された温度で供給しています。やかんやポットを使わなくてもすぐに適温のお湯を用意できるのが、給湯器のメリットです。
機能としてはシンプルですが、必要な温度を設定できて熱湯をすぐに出すことができるなど、便利な機能が備わっています。そのため、内部は複雑な仕組みとなっており、多くのパーツもあるため、不具合や故障などが起こることも珍しくはありません。不具合の原因によっては、新しい給湯器に交換する必要があるケースと、修理で対応できるケースがあります。
適切な号数の給湯器を使用
給湯器には、給湯能力を示す号数があります。これが大きければ大きいほど、一度に給湯できる量が増えていきます。
具体的には、水温+25℃のお湯を1分間に何リットル供給できるかという供給量を示しており、20号なら20リットル、24号なら24リットルとなります。また熱量に換算すると、1号あたりのパワーは1.74kw・1,500kcal/hとなるため、家族の人数次第で適切な号数は変わってきます。この号数は、形式に含まれて表示されていることもあります。
号数 | 対応人数 | 仕様 |
---|---|---|
16号 | 1~2人向け | 主に1か所でお湯を使う場合に適している |
20号 | 2~3人向け | 主に2か所でお湯を使う場合に適している |
24号 | 4~5人向け | 主に3か所でお湯を使う場合に適している |
27号 | 6人以上 | 主に4か所でお湯を使う場合に適している |
目安として、16号であれば1人、あるいは2人暮らしにおすすめです。賃貸マンションなどでよく使われているタイプで、冬場であっても十分な湯量でシャワーを使うことができます。常に1か所だけでお湯を使う場合に、おすすめです。
20号は、2~3人家族の場合におすすめです。同時に2か所まで使うのであれば、十分な量のお湯を供給できます。
24号は、4~5人家族向けの給湯器です。シャワーと同時に別の2か所でお湯を使用しても、問題ない性能があります。
27号は6人以上の家族におすすめの給湯器で、シャワーと同時に3か所でお湯を使用しても問題ありません。
一般的に使用されているのは、16号、20号、24号の3つです。27号は、お店によっては在庫がないことも珍しくはありません。
ガス給湯器の場合
ちなみに、号数で表示されるのはガス給湯器です。石油給湯器の場合は、ワット数と熱量で性能が示されています。主なサイズは、3万キロと4万キロがあります。一般的によく使われているのは3万キロで、ハイパワーを求める場合は4万キロです。
3万キロと表示されているのは、36.0kW・31,000kcal/hや39.0kW・33,500kcal/hなどのサイズです。ガス給湯器は1号あたり1.74kW・1,500kcal/hなので、20号の場合は34.8kW・30,000kcal/hとなり、24号の場合は41.76kW・36,000kcal/hとなります。そのため、3万キロの機種は20号以上、24号未満の性能といえます。従って、利用する家族の人数の目安は、3~4人となるでしょう。
4万キロと表示されるのは、45.3kW・39,000kcal/hや46.5kW・40,000kcal/hなどのサイズです。この場合は、ガス給湯器でいう24号を超える能力を持つため、5人前後の家族の家に向いているでしょう。
見分け方としては、給湯器の型番のアルファベット後ろ部分の頭についている2桁の数字をチェックしましょう。47であれば46.5kW、38であれば38.4kWと、ワット数の小数点第1位をを四捨五入した数字が書かれています。
給湯器を交換する際に確認するポイント
給湯器を交換する際は、現在の利用状況に合わせてサイズアップ、もしくはサイズダウンすることも検討しましょう。現時点で問題がない場合は今までと同じサイズでいいのですが、お湯の出が悪いと感じることが頻繁にあるようなら、サイズアップも考えたほうがいいでしょう。
また、設置した時点よりも同居する家族が減ったなど、お湯を使う量が減っているときはサイズダウンも考えてみましょう。
給湯器のサイズによる価格の違いは、それほど大きくありません。1サイズにつき、おおよそ1万円から3万円ほどです。10年間使用すると仮定すると、1年あたり1,000円から3,000円ほどなので、本体価格よりも使いやすさを重視したほうがいいでしょう。
ただし、号数が変わると配管も変更する必要があります。その場合、配管の設置状況によって工事費や部品代などが変わってきます。その費用は、見積もりを出してもらって許容できるかどうかを判断しましょう。
給湯器の設置タイプについて
給湯器には設置タイプがあります。タイプごとに設置方法が異なるので、設置方法に合わせた給湯器を用意しなくてはいけません。大きく分けた場合は屋内設置型と屋外設置型ですが、その中にもいくつかの種類があるのです。
屋外設置型の給湯器
屋外の外壁にかけるようにして設置するタイプは、屋外壁掛タイプです。このタイプは、下部から配管が延びています。配管にはカバーが取り付けられ、戸建て住宅の外壁、もしくはマンションのベランダなどに設置されているケースが多いタイプです。
同じ屋外でも、地面に設置されているものもあります。ブロックなどで地面から離しておかれるのが一般的で、そういったタイプは、屋外据置タイプといいます。このタイプの特徴として、側面から給湯のための配管が出ているという点が挙げられます。
また、お風呂の浴槽に直結している配管もあり、それが1つのものを1つ穴タイプ、2つのものを2つ穴タイプと呼ばれています。このタイプの給湯器は、基本的に戸建て住宅で使われています。
その他、一見すると屋外据置タイプと同じように見えるもので、浴槽隣接タイプというものもあります。設置方法は屋外据置タイプと同じく、ブロックなどの上に設置されています。
違いとして、給湯器の背面から浴槽へと、2本の配管がつながっています。そのため、お風呂にもお湯が流入する穴が2つあります。こういった造りなので、浴槽に隣接する入りに設置されることになります。別名では、風呂釜タイプとも呼ばれています。
マンションの玄関横にある、パイプスペース(PS)という場所に給湯器が設置されていることもあります。これは、PS設置タイプといわれるものです。マンションやアパートなど、集合住宅で使われるもので、設置スペースが限られています。
そのため、給湯器を修理する場合はともかく、交換となると同じサイズの機種しか選ぶことができないため、機種を選ぶ自由度は限られてしまいます。
屋内設置型の給湯器
屋外への設置が難しい場合は、屋内に設置されます。一般的に浴室用の給湯器は据置型が多いのですが、屋内の場合は排気口を人の顔より高くするために壁掛け型にすることがほとんどです。また、排気の方法によって種類が分かれます。
よくあるタイプとしては、屋外の空気を取り込んで燃焼させファンによって排気する強制吸排気のFF式、屋内の空気で燃焼させファンで排気する強制排気のFE式、屋外の空気を使って燃焼させて排気は自然に行う自然吸排気のBF式、屋内の空気で燃焼させて自然に排気を行う自然排気のCF式があります。雪国では、屋内に設置されることが多いでしょう。
給湯器は、基本的に設置するスペースが決まっています。特に、宅内に設置する場合は決まった設置場所があるので、極端に大きさが異なる機種は設置できません。屋外に設置する場合でも、配管の位置などが決まっているので同型のものでなければ設置は難しいでしょう。
給湯器のサイズや形状はほとんどが各メーカー共通です。そのため、元々設置されていた給湯器とは別のメーカーのものに交換しても、あまり問題はないのです。交換する機種を選ぶ際は、メーカーに縛られる必要がないということを覚えておきましょう。
給湯器が故障した場合に発生する不具合
給湯器が故障して修理が必要になった時は、どのような不具合が発生してしまうのでしょうか?
起こりうる不具合の症状について、解説します。
お湯が出なくなる
最もシンプルで分かりやすいのが、お湯を出そうとしても出なくなるという症状です。
特に、普段ならすぐにお湯が出るはずなのに、数分待っても水しか出てこないという状態であれば、給湯器の修理が必要といえるでしょう。そうなった場合は、それが1か所だけなのか、他の場所でも水しか出ないのかを確認してみてください。
通常、給湯器のお湯は複数個所から出るようになっているので、1か所だけならその水道の蛇口に不具合が起こっている可能性が高いのです。どこでも水しか出てこないようなら、給湯器の故障の可能性が高いので修理をする必要があります。
お湯の温度が上がりづらくなる
お湯は出るものの、普段よりぬるい温度でしか出てこない場合も給湯器の故障が疑われるので、修理を検討する必要があります。給湯器のリモコンによっては、温度管理をして温度が表示されるタイプもあります。
その表示される温度を確認することで、不具合をいち早く察知できるでしょう。
例えば、50℃に設定しているのにぬるま湯しか出てこないようなケースでは、故障が疑われます。しかし、うっかりと設定を間違えて30℃にしているというケースも考えられるので、まずは設定している温度を確認してみましょう。
それ以外の理由として考えられるのは、水圧もあります。水圧が弱いと、温度にも影響することがあるのです。特に、蛇口がハンドル式であれば、そのひねり具合によってお湯の出方も異なりますが、お湯の水圧が弱いと普段よりぬるくなってしまいます。
また、お風呂のお湯がぬるいというケースであれば、循環フィルターがつまっていることも考えられます。お湯や水を通す際にゴミなどをろ過する役割があるのですが、つまってお湯がスムーズに通らない場合は浴槽に行かず、給湯器へと再び戻ってしまうケースがあるのです。そうなると、お湯の量が少なくなりぬるくなってしまうのです。
もっとシンプルな理由として、元々の水温が低すぎて温まりきらなかった、ということもあります。これは、雪国などの寒冷地でよく起こる現象です。この場合、調整を間違えるといきなり熱湯が出てくることもあるため、気を付けましょう。
給湯器のリモコンにエラーが出ている
給湯器のリモコンがある場合は、そこにエラーが表示されることがあります。エラーが起こった際はエラーコードで表示されるので、説明書を確認してエラーの詳しい内容を把握しましょう。
エラーコードは各メーカーで共通しているものと、独自に定めているものがあります。そのため、どこかで見たことがある番号が表示されたとしてもその問題点を決めつけず、先に説明書でエラーコードの内容を確認しなくてはいけません。
給湯器から水漏れが発生している
お湯は問題無く出ていても、給湯器から水が漏れているようであれば注意しなくてはいけません。その場合、水漏れが原因で故障が生じることもあります。また、不完全燃焼になるケースや有毒ガスが発生するケースもあるので、給湯器が問題なく使用できていたとしても修理を検討した方がいいでしょう。
給湯器の水漏れは、本体から生じるケースと配管の継ぎ目から生じるケースがあります。配管の継ぎ目から生じるケースでは、配管が劣化しているか締め付けが緩んでいる可能性があるため、一度締め付けて様子を見て、再び漏れるかどうかを確認しましょう。水漏れが止まったのであれば、締め付けが緩んでいたということでしょう。
止まらない場合は、配管を交換する必要もあるでしょう。給湯器本体から水漏れしている場合は、自分で直そうとするのではなく修理業者に依頼することをおすすめします。
給湯器から異臭・異音がする
給湯器を動かしている時はある程度の稼働音がするものですが、普段とは違う音がしていたり気付いたら音が大きくなっていたりした場合は、給湯器を修理しなくてはいけない可能性があるため、まずは点検を行ってください。
また、焦げ臭いなど異臭がしている場合も同様です。もしかしたら、不完全燃焼を起こしてしまう可能性もあるので気を付けましょう。不完全燃焼を起こしていると、一酸化炭素が発生することがあります。屋内に設置しているタイプであれば、それを放置していると一酸化炭素中毒になる可能性もあるため、気を付けなければいけません。
また、屋外であっても放置していいわけではないので、屋外設置型の場合も早急に対処しましょう。
まずは給湯器のエラーコードを確認
リモコンがついている給湯器であれば、何らかの不具合や故障が起こった際は給湯器のリモコンにエラーコードが表示されます。
給湯器のリモコンには点火不良、ファンモーターの異常など原因ごとに細かくエラーコードが準備されているので、修理前に必ず確認するようにしましょう。エラーコードが何を示しているのかは、説明書を確認すると書かれています。
あるいは、メーカーごとにある程度決まっているため、メーカー名とエラーコードと検索すれば表示されるでしょう。
また、同時に基本的な対処法についても書かれているので、まずはどう書かれているかを確認するべきです。
その対処法に従っても解消されなかった場合や、自分でできるものではなかった場合、修理や交換が必要と書かれている場合などは、無理に対処しようとした場合に事態が悪化する可能性や、大事故につながってしまう可能性があります。そのため、何かをしようとするのではなく、専門業者へと連絡するようにしましょう。
給湯器で特に使われているメーカーは、リンナイやパロマ、ノーリツなどがあるのですが、エラーコードはメーカーによって異なります。それぞれのメーカーで、代表的なエラーコードについて紹介します。
代表的な給湯器のエラーコードについて解説
リンナイのエラーコードの代表的なものは、以下のようなものがあります。
エラーコード | 内容 | 対処方法 |
---|---|---|
11 | 点火不良 | ガス元栓やガスメーターを確認した後、一旦運転スイッチを切った後に再び操作をしてみる |
12 | 途中失火・立ち消え | ガス元栓やガスメーターを確認した後、一旦運転スイッチを切った後に再び操作をしてみる |
90 | 中和器水位異常 | 修理業者に連絡 |
99 | 機能停止 | 修理業者に連絡 |
111 | 給湯点火不良 | 電源プラグやガスの元栓を確認 ガス切れや給湯器内の水量も確認する |
112 | 風呂点火不良 | 安全装置を確認する |
113 | 暖房点火不良 | ガスメーターやガス供給を確認 天候による水濡れや凍結などの不具合も確認 給湯器をリセットしても直らない場合は修理業者に連絡 |
パロマのエラーコードの代表的なものは、以下のようなものがあります。
エラーコード | 内容 | 対処方法 |
---|---|---|
110 | 燃焼制御装置の非検知 | ・運転スイッチをオン/オフして給湯栓を開ける ・オイルタンクの残量を確認し減っていれば補給する(オイルタンクを一度空にすると灯油を補給してもすぐには点火しません。) ・機器内部及び送油管のエアーを抜く 解消されない場合には修理依頼 ・オイルタンクの残量を確認し減っていれば補給する(オイルタンクを一度空にすると灯油を補給してもすぐには点火しません。) ・機器内部及び送油管のエアーを抜く 解消されない場合には修理依頼 |
111 | 給湯点火不良 | 電源プラグやガスの元栓を確認 ガス切れや給湯器内の水量も確認する |
112 | 風呂点火不良 | 安全装置を確認する |
113 | 暖房点火不良 | ガスメーターやガス供給を確認 天候による水濡れや凍結などの不具合も確認 給湯器をリセットしても直らない場合は修理業者に連絡 |
120 | 燃焼制御装置の非検知 | ・運転スイッチをオン/オフして給湯栓を開ける ・オイルタンクの残量を確認し減っていれば補給する(オイルタンクを一度空にすると灯油を補給してもすぐには点火しません。) ・機器内部及び送油管のエアーを抜く 解消されない場合には修理依頼 |
562 | ふろ自動注湯流量異常 | ・給水元栓が開いているか、断水や水道凍結していないか、蛇口から水が出るかを確認する ・運転スイッチをオン/オフして再度自動運転を行なう 解消されない場合には修理依頼 |
710 | 燃焼制御回路 | 修理依頼する |
760 | リモコン伝送異常 | ・電源をコンセントから抜き挿しする 解消されない場合には修理依頼 |
901 | 給湯燃焼異常(出力低下) | 修理を依頼する 使用年数によっては寿命の可能性もある |
903 | 暖房燃焼異常(警告表示、燃焼停止) | 修理を依頼する |
920 | 中和器寿命予告 | 中和器の寿命が近づいているので 修理を依頼 |
ノーリツのエラーコードの代表的なものは、以下のようなものがあります。
エラーコード | 内容 | 対処方法 |
---|---|---|
110 | 燃焼制御装置の非検知 | ・運転スイッチをオン/オフして給湯栓を開ける ・オイルタンクの残量を確認し減っていれば補給する(オイルタンクを一度空にすると灯油を補給してもすぐには点火しません。) ・機器内部及び送油管のエアーを抜く 解消されない場合には修理依頼 ・オイルタンクの残量を確認し減っていれば補給する(オイルタンクを一度空にすると灯油を補給してもすぐには点火しません。) ・機器内部及び送油管のエアーを抜く 解消されない場合には修理依頼 |
111 | 給湯点火不良 | 電源プラグやガスの元栓を確認 ガス切れや給湯器内の水量も確認する |
112 | 風呂点火不良 | 安全装置を確認する |
113 | 暖房点火不良 | ガスメーターやガス供給を確認 天候による水濡れや凍結などの不具合も確認 給湯器をリセットしても直らない場合は修理業者に連絡 |
120 | 燃焼制御装置の非検知 | ・運転スイッチをオン/オフして給湯栓を開ける ・オイルタンクの残量を確認し減っていれば補給する(オイルタンクを一度空にすると灯油を補給してもすぐには点火しません。) ・機器内部及び送油管のエアーを抜く 解消されない場合には修理依頼 |
562 | ふろ自動注湯流量異常 | ・給水元栓が開いているか、断水や水道凍結していないか、蛇口から水が出るかを確認する ・運転スイッチをオン/オフして再度自動運転を行なう 解消されない場合には修理依頼 |
710 | 燃焼制御回路 | 修理依頼する |
760 | リモコン伝送異常 | ・電源をコンセントから抜き挿しする 解消されない場合には修理依頼 |
901 | 給湯燃焼異常(出力低下) | 修理を依頼する 使用年数によっては寿命の可能性もある |
903 | 暖房燃焼異常(警告表示、燃焼停止) | 修理を依頼する |
920 | 中和器寿命予告 | 中和器の寿命が近づいているので 修理を依頼 |
上記の各社のエラーコードの他に、各メーカーで共通しているエラーコードもあります。
メーカー共通のエラーコードには、以下のようなものがあります。
エラーコード | 内容 | 対処方法 |
---|---|---|
88 | 点検お知らせ機能の表示 | ガス・石油給湯器は、国によって設計標準期間が10年と定められているため、使用開始からその期間が過ぎるとエラーコードが表示される これは故障ではなく、経年劣化によって故障が起こりやすい状態であることを知らせるものなので、表示された際は点検をすることが推奨される |
888 |
これ以外にも、非常に多くのエラーコードがあります。その中にはメーカーで共通しているものもあれば、同じエラーコードでもメーカーが違えば全く異なるものもあります。そのため、エラーコードを調べる際はメーカーを間違えないように注意してください。
また、各メーカーで共通しているエラーコードとして、111、112、113があります。これが表示されたときは、危険が生じることもあるので注意しましょう。これらが表示された際に行うべきセルフチェックについて、紹介します。
【共通】エラーコード111の対処の仕方
- 電源プラグが抜けていないか確認
- ガスの元栓が閉じていないか確認
- ガスが切れていないか確認
- 給湯器の中の水の量を確認
エラーコード111は、お湯が出てこない給湯点火不良という状態です。主に、悪天候などで給湯器の内部に水が入ってしまい、そのせいで点火しづらい状態となってしまうのです。
そのため、基本的には屋外設置型の給湯器で起こる症状です。これが表示された場合、フレームロッド・ガス比例弁・ガス電磁弁・イグナイタの確認などが推奨されていますが、セルフチェックで行えるものではありません。そのため、まずは、自分でもわかるポイントをチェックしましょう。
まずチェックするのは、基本的なことですが電源プラグが抜けていないかどうかです。給湯器も、電源がなければ動きません。電源プラグは、必ず差しておかなくてはいけないのです。
また、確かに電源には差しこんであってもコードの内部が断線していることもあります。これは、一見しただけではわからないのですが、その場合はエラーコード以前に作動しないのでおそらくは問題ないでしょう。
次いで、ガスの元栓をチェックしましょう。そもそもいじっていないというケースでも、絶対に大丈夫というわけではありません。屋外に設置されている場合、近隣の子どもがいたずらで元栓を閉めてしまうケースもあります。
また、地震などが起こった際に自動的に閉まる元栓もあり、そのような元栓であれば地震や誤作動で閉じてしまっているケースもあります。心当たりがなくても、確認してください。
プロパンガスであれば、ガスが切れている可能性もあります。ボンベの中にガスがなくなっていると、ガスを使うすべての設備が使えなくなってしまいます。ガスコンロがあれば、それが使えるかどうかも確認してみましょう。
また、給湯器が点火するために必要なのは、ガスだけではありません。水も一定量なくてはいけないのです。上記の他の点に問題がなかった場合は、給湯器の中の水の量も確認してみてください。
【共通】エラーコード112の対処の仕方
- 安全装置を確認
112のエラーコードが表示された場合は、風呂点火不良ということです。これは、ガスが正常に供給されていないか、点火装置に不具合がある、あるいはその両方が起こっていることを示しています。
この場合は、111と同じくガスの元栓とガスが無くなっていないかを確認したうえで、安全装置を確認してください。
ガス給湯器には安全装置がついていて、長く使用しない状態だと点火しなくなってしまうケースがあるのです。その場合は、一度吸水のための蛇口を閉めてリモコンの電源を切り、再度電源を入れてください。それで、エラーが解除されるかを確認します。
もし、それでもエラーが起こるようであれば、内部のいずれかのパーツに不具合が生じているのかもしれないので、修理業者に依頼して点検してもらいましょう。
【共通】エラーコード113の対処の仕方
- ガスの元栓を確認
- ガスの元栓が閉じていないか確認
113は、暖房系統の点火不良を示しています。3つともよく似ているエラーコードですが、若干の違いがあり対処方法も異なるので、混同しないようにしましょう。
この場合は、他の2つよりも危険性は少ないものです。113は、室外機による転嫁ができないという意味のエラーコードです。そのため、室内でガス漏れが起こることはありません。
この場合の対処方法としては、まず運転スイッチを切ってください。その際、暖房付きであれば床暖房や放熱器の電源もすべてオフにします。そうしたら、ガスの元栓を確認してください。
問題がない場合は室外機に不具合が生じている可能性が高いのですが、自力で復旧するのは非常に難しいといえるでしょう。一戸建ての場合は、室外機がお風呂乾燥機や床暖房専用となっているケースがほとんどです。
その場合は、速やかにガス会社に連絡して修理を依頼しましょう。マンションであれば、すべての暖房やお湯を1つの給湯器で賄っているケースがほとんどなので、まずは台所でお湯が出るかどうかを確認しましょう。問題なくお湯が出れば、とりあえずは一安心です。確認したら、修理の依頼をしましょう。
エラーコードは、必ずしも故障というわけではありません。また、自力では修復が不可能なケースと、セルフチェックで問題点を把握して修復できるケースがあります。まずは、セルフチェックで問題のある個所が把握できるかどうかを試してみることが重要です。
故障していなくても、台風による浸水や冬場の水道管の凍結などでエラーが起こることもあり得ます。もし、台風が過ぎて数日以内や寒い日の翌日などにエラーコードが表示された場合は、そういった面も確認してみましょう。浸水であれば、ショートしない限りは乾燥すれば直る可能性もあります。
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また、凍結であれば暖かい日が続けば直るでしょう。共通している方法として、エラーコードが表示されたらまずは電源プラグを抜いてみてください。しばらくしてから指し直すと、直っていることもあります。その他にも、リセットをしたら復旧したというケースもあります。ただし、そういった処置は天候や気温が回復してから行わなければ、再び同じ症状が起こることもあり得るので注意してください。
ただし、エラーが起こるということは、何らかの不具合が起こりやすい状態になっているとも言えます。そのため、自分で対応して修復できた場合でも、一度点検してもらうことをおすすめします。
交換せずに修理で対応できるケース
給湯器に不具合が出た場合は、交換せずに修理だけで対応できるケースもあります。給湯器は安いものではないので、買い替えるよりも修理で済むのならそのほうがいいでしょう。給湯器が修理だけで済むケースについて、紹介します。
給湯器の稼働が10年以内での故障
給湯器の寿命は、おおよそ10年とされています。この10年というのは、国が定めた設計上の標準使用期間です。10年が経過する前に不具合が生じた場合は、本体そのものに故障が生じている可能性は低いです。
10年未満で不具合が生じているケースでは、一部のパーツの不具合や動作不良を起こしているだけ、というケースが多いため、給湯器の交換を考える前に、修理業者へ問い合わせて確認してみた方がいいでしょう。
10年以上経過している場合は、経年劣化と考えられます。また、メーカーですでに部品のストックがないケースもあるため、10年以上経過していると給湯器の修理は難しくなります。
異常が発生してからすぐに使用を中止した場合
給湯器に異常が発生してもそのまま使い続けていると、異常が起こっている箇所には大きな負担がかかってしまいます。そうなると、給湯器に致命的な故障が発生してしまい、修理では対応できなくなってしまうかもしれません。
しかし、異常が起こってすぐに使用を中止してしまえば、それ以上悪くなることはありません。給湯器が使えず、お湯が出ないのは不便でしょうが、修理不可能な状態になるよりはいいでしょう。もう一度給湯器を使用する前に、修理業者に点検を依頼しましょう。
給湯器自体が故障の原因でない場合
給湯器本体ではなく、別の個所の故障によって不具合が生じることがあります。例えば、配管が劣化してそこから水漏れをしているケースや、給湯器にある温度センサーが故障、もしくはエラーが起こっている場合などは、本体の交換は必要無く、修理や部品交換で対応できることが多いのです。
まずは、給湯器やその周辺のどこに不具合があるのかを確認して、修理業者に相談することをおすすめします。水漏れの場合は、本体から漏れているのか配管から漏れているのかの判断が難しいケースもあります。早急に断定するのではなく、しっかりと確認しましょう。
給湯器の故障確認・修理方法
給湯器が正常に作動しなくなると、慌てて修理業者を呼ぼうと思うかもしれません。お湯が出ないと不便なので、そう思ってしまっても無理はないでしょう。しかし、本当に故障しているのでしょうか?時には、簡単に解消できる不具合ということもあり得ます。修理業者を呼ぶ前に、まずはいくつかの点を確認してみてください。お湯が出ないケースと、水が出ないケースのそれぞれの注意点を解説します。
お湯が出ない場合
給湯器から水は出るものの、全く暖かくならないという場合はガスの供給、あるいは設定している温度に問題があるケースがあります。
まず確認するのは、ガスの元栓です。元栓を閉めたまま、開け忘れているケースがあります。また、安全装置が付いている場合は大きな地震などが起こった際、自動的に元栓が閉じられているというケースも考えられます。
混合水栓に不具合があって、自らお湯に切り替わらないというケースもあります。中の部品が破損したり不具合を起こしたりして、水からお湯にならないのです。その場合は、給湯器の修理だけではなく水道修理もできる業者に確認するべきでしょう。
蛇口に温度設定がついている場合、それが低くなっていることも考えられます。給湯器は正常に作動していても、蛇口の温度設定が水に設定されていると当然水しか出てきません。どんな温度に設定されているのかも、確認してみてください。
電源を確認
そもそも、給湯器の電源プラグが抜けていたり、ブレーカーが落ちていたりしただけ、というケースもあります。特に電源プラグは、奥まで刺さっていないとふとした拍子に抜けてしまうこともあります。
また、中途半端に刺さっているせいで正常に通電していない、というケースもあるのです。電源プラグは、よく確認しておきましょう。ブレーカーに関しても、落ちているところがないかを確認してみてください。
電気温水器であれば、一部には沸き増しができないものもあります。その場合は、一定量のお湯を使い切った時点でお湯は出なくなってしまいます。使いすぎると、しばらくお湯が使えなくなるのです。そういった機種が設置されている場合は、まず貯湯タンクの中にどのくらいのお湯があるのか、確認してみましょう。
周囲の機器も確認を
お風呂でだけお湯が出ない場合は、給湯器のリモコン、あるいはお湯はり用のリモコンに不具合が生じていることもあります。
また、蛇口からお湯が出ないものの水は出るというケースでは、ガスコンロをチェックしてみてください。ガスコンロも使えなくなっているようなら、ガスが止まっているケースが考えられます。その場合は、ガスメーターをチェックして点滅している箇所などがないか確認しましょう。
点滅している場合は、一度ガスの説明書を読んでどのような症状なのかを確認してください。その場合、自分で直せるような不具合であれば自力で修理を行い、無理なら計約しているガス会社に連絡して確認してもらいましょう。
水が出ない場合
お湯どころか、そもそも水が出ないというケースもあります。そのようなケースでは、まず断水が起こっていないか確認してみましょう。近所で何らかの工事が行われていると、一時的に水道が止まってしまうケースがあります。特に、水道管の交換などの水道工事が行われていると、高確率で断水となるでしょう。そのため、まずは工事が行われていないか確認してみてください。
また、止水栓も確認してみましょう。止水栓は、水道の元栓です。これが閉められていると、水は止められてしまいます。大本の止水栓は、玄関の外にある水道メーターが入っているボックスの中に付けられています。ボックスのふたを開けて、止水栓が開いているかどうかを確認してみましょう。
基本的に、右に回すと閉まり左に回すと開きます。ただし、集合住宅であればメーターボックスが共用になっているケースもあるので、注意してください。
屋外に給湯器が設置されている場合、冬季など気温が低い時は凍結してしまい、水が流れなくなっているケースが考えられます。凍結の可能性がある場合は、その予防や対策をしっかりと行ってください。
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給湯器が故障した場合の修理費用の相場は?
給湯器に不具合が生じて修理を考えた時、気になるのがその費用です。給湯器の修理には、どのくらいの費用を見込んでおけばいいのでしょうか?
まず、給湯器の修理代金は、出張費と技術料、部品代の3つがかかります。出張費は距離に応じてかかるものですが、技術料と部品代は不具合が起こっている場所によって異なります。合計の費用の目安として、部品交換が不要なケースでも最低7~8千円ほどになるでしょう。部品代込みなら、5千円以上は加算されます。
ただし、具体的な費用はその症状によって異なるため、給湯器の不具合が生じて修理業者に依頼する際は、まず料金の概算を聞いてみてください。そうすれば、より正確な費用を知ることができるでしょう。
見積もりを依頼する業者の選び方
より正確な料金を知りたい場合は、直接現地に呼んで見積もりを出してもらいましょう。見積もりだけなら、無料でやってくれる業者も多いので、複数の業者に見積もりを依頼して、比較したうえで正式に修理を依頼すればいいでしょう。
給湯器の修理を依頼する業者は、慎重に選ばなくてはいけません。ごくわずかですが、法外な修理費を請求するような悪徳業者もいるのです。業者の選び方について簡単に解説するので、参考にしてください。
まず、見積もりを依頼した際はどのような方法で行うのか、チェックしましょう。中には、スマホで撮った写真を送ってもらい、それで見積もりを終える業者も最近は増えています。
しかし、本来は現地に測人を派遣して、どのような状態なのかを説明したうえで見積もりを出すものです。とはいえ、そのようなやり方は人件費がかかってしまうため、無料で見積もりをするという業者の場合は難しいでしょう。
最低1人でも現地を訪れて見積もりをしてくれた方が、安心して依頼できます。写真での見積りで問題があるのは、設置場所の確認です。周辺を写真で撮影したとしても、詳しく内容を把握するのは困難です。設置する高さや作業スペースの広さ、法律で定められている設置基準に抵触していないかなどを確認するには、やはり現地を見ておいた方が確実なのです。
その他にも、確認するべき点はいくつもあるため、確実に修理ができるようにするには現地まで来てもらえた方が安心です。
見積もり内容もチェック
- 交換品が型落ちの商品ではないか確認
- 工事費が記載されているか確認
- 廃棄処分量が取られていないか確認
- 担当者名が記載されているか確認
見積もりをもらった際はその内容もチェックするべきです。その内容で、信頼できるかどうかを見極めるヒントとなるでしょう。給湯器を修理する場合でも、それに用いる部品の品番や給湯器の品番が書かれているかをチェックしましょう。これは、修理ではなく交換となったときのほうがより大切です。
なぜかといえば、業者の中には安く購入するために機器をまとめ買いしているケースがあり、不要な在庫を処分するために型落ちの機器を取り付けようとすることがあるからです。給湯器を交換せず修理する場合でも、価格をごまかすために詳細な型番を記載しないことがあるため、注意しましょう。
部品と同じく、工事費も書かれているかを確認してください。工事一式などまとめて書かれている場合は、パックにしてお得感を演出しようとしているのですが、実はトータルで高額になっていることもあります。工事一式と書かれているのとは別に、その詳細も記載されているのが望ましいでしょう。
給湯器の廃棄処分費を取られるようであれば、怪しい業者といえます。なぜなら、金属として扱われリサイクル業者が買い取ってくれるはずだからです。わざわざ処分費を取ろうとするのは、ぼったくりの可能性が高いでしょう。
さらに、営業の担当者の記載があるかも、確認しましょう。
記載されていないと、何かトラブルがあったときに連絡する窓口がわからなくなります。電話をしても、担当者がわからないとたらいまわしにされかねません。また、折り返しの電話がいつまでも来ない可能性もあります。そうならないように、担当者の名前はしっかりと確認しておきましょう。
また、給湯器は必ずしも修理できるとは限りません。修理のつもりで訪れたものの、実際に見てみると交換するしかないというケースもあるので、交換した場合の費用についてもあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
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