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公開日: 2022-02-14 更新日: 2023-03-06

台所の排水溝の構造から詰まりや匂いを撃退!

キッチン つまり

台所の排水口の下はすぐ下水に繋がっています。それでも下水からの悪臭がしないのは、排水トラップや排水ホースというパーツが下水から上がってくる臭いに蓋をする構造になっているからです。もしも臭いがしているなら、この構造のどこかに詰まりや、なんらかの問題が発生している可能性が高いです。

ここでは普段何気なく使っているキッチンの排水口について解説し、臭いがや詰まりに効果的な予防・対処方法を解説しています。なんとなく臭いが気になる人も、効果的な予防で清潔に調理したい人もぜひご覧ください。

目次

台所の排水口は臭いや詰まりが発生しにくい構造になっている

シンクにある排水口は、普段目にするゴミ受けだけでなく、その下の排水トラップと排水ホースから構成されています。それぞれにとても重要な役割があり、これらによって下水からの悪臭や害虫の侵入を防ぎ、台所の清潔を守れています。

詰まりを予防するゴミ受け(排水バスケット)

ゴミ受けは排水口にぴたっとはまる形で配置されている、網目状のパーツです。「排水バスケット」や「水切りカゴ」ともいわれており、調理中に出た野菜くずやゴミを受け止めて排水管に流れてしまうのを防ぐ役割があります。

ゴミ受けがないと排水管にさまざまなゴミが流れ、あっという間に詰まってしまいます。

悪臭を防ぐ排水トラップ

排水トラップは下水から悪臭や害虫が侵入してくるのを防ぎ、キッチンを清潔に保つために欠かせない重要なパーツです。ワン(椀)型・S字・P字・ドラム型など、複数の種類がありますが、いずれも水を貯めることで下水からの侵入を防いでいます。

貯めてある水は「封水の水」というもので、流れる水が悪臭や害虫を下水に押し流し、新しく貯まった水が蓋の役割をして侵入を防ぐ仕組みで、排水トラップの要の部分です。封水の水が蒸発してしまったり、排水トラップ自体が汚れたりすると悪臭が発生することになります。

水を下水に流す排水ホース

シンク下で排水トラップから排水管に繋がっているのが、排水ホースという部分です。ねじ式と差し込み式、Y字型の3種類がありますが、どのタイプも素材はビニールです。

シンク下に露出しているため、調理器具や食器類が強くぶつかると敗れてしまうこともあり、経年劣化によっても裂けることがあります。裂けたり穴が開いたりしていると悪臭が入り込むため、定期的な交換が必要なパーツです。

詰まりや臭が出たら排水トラップと排水ホースを確認

詰まりや臭い対策には、排水トラップと排水ホースの状態が重要です。すでに臭いや詰まりといったトラブルが発生している場合は、まずは排水トラップと排水ホースの状態を確認しましょう。

悪臭は排水トラップ・排水ホース両方で対策を

シンクに顔を近づけたときに下水の臭いがする場合は、排水トラップに何らかの異常が発生していることが多いです。

封水の水が足りなくなっていたり、排水トラップ自体が汚れていたりする可能性があります。水をしばらく流し、排水トラップを洗ってみましょう。それでも臭いが消えないようであれば排水トラップの破損が考えられます。

シンク下から臭いがする場合は、排水ホースに穴が開いている可能性があります。排水ホースの状態を確認してみて、穴や裂け目が見つかったら排水ホースを新しくするか、テープを巻いて応急処置をしておきましょう。

排水ホースと排水口のつなぎ目に隙間がある場合は、防臭ゴムが取れているか、経年劣化で役割を果たせていない状態になっています。隙間から下水の臭いが入り込んでいるので、防臭ゴムを新しく付けることで改善できます。

詰まりは排水ホースの問題が多い

水の流れが悪い、もしくはまったく流れないような場合は、排水ホースに何かが詰まっている可能性があります。野菜くずやうっかり流してしまったゴミ、こびりついた油も詰まりの原因になります。

汚れや油が原因の場合は、キッチン用のパイプ洗浄剤やお酢と重曹でも改善可能です。排水ホースが折れ曲がったり、丸まったりすることでも詰まりは生じます。水の流れが悪くなったら、まずは排水ホースを確認し、どこで水が止まっているのかを確認してみましょう。

排水ホース内に問題がないのに水が溜まっている場合は、排水ホースのさらに下に伸びる排水管が詰まっている可能性があります。詰まってしまうとなかなか簡単には掃除ができないため、日ごろから詰まらせないようにする手入れが必要です。

排水パイプに異物がつまった場合の対処法

キッチンの場合、排水口から排水パイプにスプーンやペットボトルのフタが落ちてしまった、というトラブルもつきものです。

子供がボールなどのおもちゃを落としてしまったというケースもあります。

このような異物がワントラップやその先の配管へと入り込むのもつまりの大きな原因です。

外から入ってしまった異物が見えるのであれば、手やワイヤーなどで取ることができます。

ただ目視できないほど奥に入り込んでしまった場合は自分で取り出すのは難しいです。

無理に取ろうとすると二次災害が起こる可能性があるため、この場合は業者に相談してください。

薬剤ではつまりが解消されない場合

薬剤だけではキッチンつまりを解消できない場合、ワイヤーブラシで直接かつ物理的に直していくという方法もあります。

流しの排水口からワイヤーを挿入し、これ以上進めなくなるまで差し込んでいきましょう。

どう角度を変えても進めない場合は、そこがつまりの箇所です。

ハンドルを回すとワイヤーが回転します。これを利用して汚れを落としましょう。

ある程度繰り返すと水が流れられる通り道ができます。

ここまで来たら差し込んでいた方とは反対のブラシがついている方を差し込み、汚れを落としてください。

ワイヤーブラシ以外にも和式トイレ用のラバーカップでつまりを解消するという方法もあります。

ラバーカップは限界までカップを排水口に押し込み、その後一気に引き上げるようにしてください。

排水溝のメンテナンスをしておこう

キッチンのつまりは多くが蓄積された食べ物のカスと油の塊です。

こうした排水溝のつまりや臭いを未然に防ぐには日頃のメンテナンスが重要になります。頻度としては2週間に1回が目安です。

定期的に食材のカスや油などが溜まっていないか確認し、掃除しておきましょう。

点検だけなら1週間に1度行っておくのがベストです。

基本的なメンテナンス方法

メンテナンスはパイプクリーナーや古い歯ブラシなどを使います。

パイプクリーナーは本来、つまりの修理ではなく日々のメンテナンスで使うものです。

パイプクリーナーで排水溝や排水トラップに溜まったカスやゴミなどを溶かしましょう。

ゴミ受けにこびりついたゴミや汚れは歯ブラシでかきだします。

重曹とお酢

パイプクリーナーを定期的に買うのは経済的に厳しいという場合は、重曹とお酢を排水溝から入れることで油や汚れを溶かすことも可能です。

お酢の匂いが気になる・もう少し効果が高い方法を試したい人はクエン酸でも構いません。

つまりや臭いだけでなく、ぬめりも解消できます。

ただしパイプクリーナーのような専用の薬剤ではないため、分量と手順は必ず守ってください。

またパイプクリーナーや重曹・お酢を使ってメンテナンスを行う場合は換気も同時に行いましょう。

まずゴミ受けを外し、最初に重曹を排水溝に入れます。その上からお酢を注ぎ、泡立ち始めたところで止めます。

数分置いたら水で洗い流してください。

台所つまりが起こりやすいワントラップ

台所の排水口で最もつまりやすいとされているのが排水トラップです。主にワントラップと呼ばれるタイプが一般的で、悪臭が居住空間へ上がっていくのを防ぐ役割があります。ゴミ受けを取り外した先にある椀を伏せたような形になっている部分がワントラップです。

ワントラップは一度外側に水を溜め、内側にあふれ出させることで排水管に入ります。水が溜まる外側には水を受け止める溝があり、そこに食品カスや油などが溜まってしまうのです。大きなゴミはゴミ受けのカゴが受け止めてくれますが、カゴの網目をすり抜けてしまうほどの小さなゴミが長年溜まることでつまりを起こしてしまいます。

DIYで台所つまりを解消させる

台所つまりはある程度なら自分で対処することができます。いくつか方法があるので、業者を呼ぶ前に自分でやってみるのも良いでしょう。

自分で解消する方法は重曹やパイプクリーナーなどの薬品を使う他、ワイヤーブラシやラバーカップ・雑巾といった物理的に直す方法もあります。いずれも食品のゴミや洗剤カス・油汚れには効果がありますが、異物がつまっている場合は解消できません。異物がつまった場合は業者を呼ぶことをおすすめします。

ラバーカップ

ラバーカップといえばトイレつまりを直す道具という印象が強い人も多いでしょう。しかしトイレも台所も水回りです。台所の場合和式トイレ用のラバーカップであれば台所つまりにも有効です。使い方はトイレとほぼ共通しています。ゴミ受けカゴやワントラップを外した排水口の上からラバーカップを被せ、その状態でシンクに水を溜めましょう。ある程度溜まったら水を止め、限界まで下に押し込んでから勢いよく引き上げてください。

ワイヤーブラシ

ワイヤーブラシはその名の通りワイヤーの先にブラシがついた道具で、排水口から差し込んで使います。ワイヤーを差し込んでこれ以上進めなくなったら、ワイヤーブラシのハンドルを回しましょう。ハンドルを回すことで先についているブラシが回転します。この回転で汚れをふき取り、つまりを除去するのです。ワイヤーブラシはゴミがつまったことによるつまりより、油汚れによるつまりを解消する方が得意な道具といえるでしょう。

パイプクリーナー・重曹

パイプクリーナーや重曹も台所つまりのDIY対処で有名です。ちなみに重曹を使う場合はお酢(クエン酸)も一緒に使わなければ意味はありません。ゴミ受けとワントラップを外し、排水口から入れます。その後1時間から2時間ほど・放置し、水を流してつまっていないか確認して下さい。パイプクリーナーは漂白作用があり油汚れやゴミを分解するだけでなく、黒ずみ汚れやぬめりも落としてくれます。

重曹とお酢(クエン酸)は、必ず最初に重曹を入れ、お酢をその後に入れましょう。化学反応を利用した解消法であるため、注意して行います。

1つ注意点としてパイプクリーナーや重曹は本来つまった後に使うのではなく、つまりを予防するために使うものといえます。日頃からの手入れで使うのが最も効果を発揮する使い方であることは忘れないようにしましょう。

雑巾

雑巾で台所つまりを解消する方法もあります。少し意外な方法ですが、実はラバーカップよりも効果が高いのです。使わなくなった雑巾がある場合は試してみると良いでしょう。

ゴミ受けのカゴとワントラップを外して、代わりに雑巾を詰める形でフタを作ります。隙間をつくらないように注意してください。詰めた時に雑巾が余ったら、余った部分をシンクから出しておきます。

次にフタをした雑巾の上からお湯をかけましょう。シンクは熱湯に弱いので必ずぬるま湯です。お湯はシンクの8割くらい溜まるくらいまで注ぎます。注ぎ終わったら雑巾を一気に引き上げてください。勢いよく排水口に流れ、つまりを解消してくれます。

これは水でも対処できますがお湯の方が油汚れも落ちやすいため、お湯の方がおすすめです。

排水口の詰まりや臭いは構造に合わせた正しい掃除方法で撃退

排水口の詰まりと臭いは、排水トラップ・排水ホースのどちらかに原因があることが多いです。どちらの場合も排水口の定期的な掃除によって予防・対策ができるため、週に1回は掃除をするようにしましょう。

排水口の掃除には、口に入っても安全な酢と重曹を使うのがおすすめです。排水口に重曹を多すぎるくらいに振りかけて、そこに酢を満遍なくかけて30分ほど放置し、60度以下のお湯で排水口内を洗い流すだけでOKです。

簡単に取り外せる排水トラップやゴミ受けは、キッチン用の洗剤で洗うだけで十分にきれいになります。予防・改善どちらにも効果があるので、ぜひ試してみてください。

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